Rapid7とともに妥協しないクラウドイノベーションを推進

課題

2016年、エンターテインメント・メディア業界が急速に変化するなか、ディスカバリーの首脳陣は時代とともに変化する必要があることに気がつく一方で、成長し、革新する機会も見出していました。彼らの包括的な使命は、新しいコンテンツの迅速な開発を促進し、消費者にコンテンツをいつ、どこで、どのように届けるかを増幅させることでした。

ソリューション

本ユーザー事例では、Discovery, Inc.がこのターニングポイントをどのようにチャンスと捉え、競合と一線を画すために何を行ったか、そしてRapid7 InsightCloudSecとのパートナーシップによってどのように業界を破壊する存在へと進化したかを検証します。

メディアやエンターテイメント・コンテンツのクラウド・ストリーミングを提供する企業は、今やどこにでもあります。Netflix、Hulu、Amazon Prime Video、AppleTVの間で、私たちの好きな番組や映画は、アクセスしやすく、入手しやすく、豊富で、手頃な価格で提供されています。しかし、かつてはそうではありませんでした。10年前、この業界は大きく異なっていました。メディアとエンターテインメント業界におけるストリーミング・サービスがはじまってはいたものの、従来のケーブルネットワークのサービスが業界を支配していました。

考え方の変化

CEOのデイビッド・ザスラフのリーダーシップとビジョンとともに、ディスカバリーはクラウドファーストの企業へと変貌を遂げる18ヶ月をスタートさせました。ソリューションは簡単でしたが、決して単純なものではありませんでした。2016年に企業規模は小さくなったものの、それでも多くの多様な事業体を抱える大規模で複雑なビジネスに変わりはありませんでした。ディスカバリーは、戦略的に変革に取り組む必要があることにすぐに気づきました。クラウドファーストになるためには、クラウド戦略を構築し、事業部門にコミットメントを行い、そのコミットメントを確実に実行する必要がありました。

ディスカバリーのリーダーシップチームは、ITチームに変革をリードするよう要請しました。チームは、各ビジネスユニットの詳細を管理するのではなく、戦略レベルでガバナンスを監督することを選択しました。日常的な意思決定への積極的な関与から戦略的リーダーシップへのシフトは従来のITチームの多くにとっての挑戦でした。ディスカバリーのITチームは、施行とコンプライアンス、実現と増幅、そして戦略と計画へと軸足を移していきました。未分化な力仕事から、テクノロジーイネーブラーであり戦略的パートナーへのシフトは、チームと企業全体にとって非常に強力であることが証明されました。

選択の余地を残しておく

ディスカバリーは、マルチクラウド化が避けられないことを知っていたため、それを想定した戦略、人材、プロセス、システムを構築しました：

• M&Aを通じた新たなクラウドの獲得
• 選択したクラウド・サービス・プロバイダーからクラス最高のサービス提供を受ける
• マルチクラウドへの耐障害性の構築
• ベンダーロックインの回避

シングルクラウド戦略からマルチクラウド戦略への移行を試みるには、財務上およびロジスティクス上の非効率を回避するための健全な基盤が必要でした。

適切なツールの選択

ITチームは、テクノロジーイネーブルメントへの戦略的シフトを促進するためにInsightCloudSecを選択しました。InsightCloudSec は、複数のクラウド・サービス・プロバイダーをサポートする生来の能力を備えており、Discovery 社の多様なビジネス・ユニットが、企業レベルで混乱を引き起こすことなく、選択したツールを自由に使用できるという安心感をもたらしました。InsightCloudSecのコンプライアンスパックは、トップダウンのアプローチでDiscoveryのポリシーを実施する一方で、ビジネスユニットに新鮮なレベルの自律性と自由を提供します。

ベストプラクティス、セキュリティ、コンプライアンスを犠牲にすることなく、パブリッククラウドの俊敏性、スピード、セルフサービス性を活用したいというDiscoveryの要望には、最初から本格的なポリシーの適用が必要でした。開発者は規律を守り、可用性が高く、コンプライアンスと監査をサポートする製品を構築していましたが、明確に定義された標準を持つことで、例外を迅速に発見し、是正を開始できることがわかりました。

InsightCloudSecは、信頼できるパートナーとして、Discovery社がパブリッククラウドの俊敏性、スピード、セルフサービス性を活用できるようにする一方で、事業部門がセキュリティ、コンプライアンス、ガバナンスのポリシーを確実に維持できるようにしました。

正しい疑問を持ち続ける

ディスカバリーのリーダーシップは、回答が難しい疑問にも取り組みました。クラウド化を開始した当初、ディスカバリーはエンターテインメント・メディア業界の現状を熟考し、なぜ放送テレビはなぜ、オンプレミスのソリューションしか使わないのかと問いかけました。業界を前進させるためには、誰かが基礎を固めなければなりません。ディスカバリーは、多くを得るために未知のリスクを冒しましたが、刻々と変化するメディア業界で存在感を保つためには、今後もそうし続けなければならないと考えています。InsightCloudSecは、ディスカバリーの先進性と革新という企業マインドにマッチしていました。

成果

ディスカバリーは、消費者に焦点を当てたコンテンツ・ファーストの大手企業となりました。ディスカバリーは、テクノロジーの再発明と変革を通じて、大いなるファンの基盤を築き、育ててきました。ディスカバリーは、パブリック・クラウドからすべてのサービスを実行し、新しいインタラクティブなコンシューマー・プラットフォームをホスティングしている数少ないメディア企業のひとつです。組織として、彼らは開発者が既成概念にとらわれず、アイデアをテストし、クラウドサービスプロバイダーが提供する多くのサービスを利用することを奨励しています。

同社のクラウドは、複数のクラウド・サービス・プロバイダーにまたがる240以上の環境に及び、7,000以上のコンピュート・インスタンスと44ペタバイト以上のデータを含んでいます。

ディスカバリーのInsightCloudSecの利用は、この1年で一貫して増加しています。InsightCloudSecを利用する事業部門は、InfoSecチームやMotorTrendチームなどさらに増えており、InsightCloudSecのボットファクトリーによる自動化を採用することで、日常的な問題を解決するための是正措置を講じたり、昇格が必要な問題を適切な担当者に通知したりできるようになりました。

ディスカバリーは、「コマンド・アンド・コントロール」の姿勢から「信頼した上で検証する」姿勢への転換を受け入れました。ディスカバリーは、開発者たちに迅速なイノベーションと、安全性とコンプライアンスを保ちながら消費者のコンテンツに対する絶え間ない欲求を満たす製品を構築する力を与えました

Scripps Networks Interactiveの買収

2018年、ディスカバリーはフード・ネットワーク、HGTV、トラベル・チャンネルなどの、いくつかの国際的資産を所有するScripps Networks Interactiveを買収しました。ディスカバリーがこれらの新しい要素に対応するために迅速に拡張することができたのは、クラウドファースト企業としての柔軟性があったからです。クラウド以外の部分では、他の企業のハードウェアやインフラ要件を自社に統合する必要があったため、買収にはもっと時間がかかったでしょう。Scripps Networks Interactiveを買収してから12カ月も経たないうちに、ディスカバリーは自社のビジネス・ニーズをサポートする単一のセキュリティ、コラボレーション、コーポレート、セールス・システムを実現しました。同時に、クラウドメディア処理とプレイアウト、技術運用に関する業界初のソリューションを数多く提供することができたのです。

Food Network Kitchenというアプリの存在

Food Network Kitchenはディスカバリーの消費者向けアプリの1つで、クラウドファースト企業になったことで実現したものです。Food Network Kitchenのサブスクリプションは、ライブでインタラクティブな料理教室を提供しています。ディスカバリーは「エピソード」という概念を「イベント」に変化させました。このサブスクリプションは、800のオンデマンドクラス、3,000のインストラクションビデオ、食料品や器具の配達も提供しています。また、ビデオ番組には、マーサ・スチュワートやボビー・フレイのような有名タレントやスターシェフが出演しています。このサブスクリプション・サービスは、消費者に革命的な体験を提供するというディスカバリーの使命を体現しており、そのすべてがクラウド・サービスの利用によって可能となっているのです。

ターゲットを絞ったサービス、MotorTrend

MotorTrend Groupは、自動車業界に特化したディスカバリーの膨大なデジタル、ダイレクト・トゥ・コンシューマー、ソーシャル、ライブ・イベント・ポートフォリオを統合しています。これには、自動車コンテンツに特化した世界唯一のストリーミング・ビデオ・オン・デマンド・サービスも含まれます。このようなターゲット化された有益なコンテンツに対する同社のアプローチは成功しています。購読者数は50万人、月間コンテンツ視聴回数は20億回を超えています。